1人でビールのピッチャーを飲むことの無謀さと安全な飲み方
ビールのピッチャーを1人で飲むことは、豪快で、一見楽しいように思えるかもしれません。
大学生の新歓コンパなどで、たまに見かけますよね。
ですが、ビールのピッチャーを一人で飲むことは、実際には無謀であり、健康や安全面で多くのリスクが伴います。
本記事では、1人でビールのピッチャーを飲むことの無謀さと、安全にビールを楽しむための安全な飲み方について解説します。
1人でビールのピッチャーを飲むことの無謀さ
ビールのピッチャーには約1.8リットルのビールが入っており、これはおよそ6杯分のビールに相当します。
1人でこれを全て飲むことは、健康に大きな影響を与える可能性があります。
大量のビールを一度に飲むことの影響は以下のとおり。
ポイント
- 過剰なアルコール摂取
- 健康への悪影響
- 脱水症状のリスク
順に見ていきましょう!
過剰なアルコール摂取
1.8リットルのビールを1人で飲むと、アルコールの過剰摂取になります。
例えば、成人男性の1日の適正飲酒量は2杯程度とされていますが、ピッチャー1杯でその3倍以上のアルコールを摂取することになります。
これにより、体内のアルコール濃度が急激に上昇し、健康に悪影響を与えるリスクが非常に高まります。
過剰なアルコール摂取は、酔いが深くなり、判断力や運動能力が低下するだけでなく、急性アルコール中毒のリスクも高まります。
具体的には、意識の混濁や呼吸の抑制、最悪の場合は死に至ることもあります。
このような危険性を考慮すると、適量を守って飲酒することが、いかに重要かが理解できます。
参考記事:急性アルコール中毒|e-ヘルスネット
健康への悪影響
大量のビールを一度に飲むことは、短期的にも長期的にも健康に悪影響を与えます。
短期的な影響
短期的には吐き気、嘔吐、頭痛、脱水症状などが起こる可能性があります。
これらの症状はアルコールの急激な摂取によって体内のバランスが崩れるために生じます。
急性アルコール中毒のリスクも高まり、これは意識障害や呼吸困難など、命に関わる深刻な状態を引き起こすことがあります。
長期的な影響
長期的には肝臓の疾患、アルコール依存症、肥満、心血管疾患などのリスクが増加します。
例えば、長期間にわたって大量のアルコールを摂取し続けると、肝臓はアルコールの代謝に追われて疲弊し、最終的には肝硬変や肝臓がんを引き起こすことがあります。
肝臓病名 | 重篤度 | 状態 |
脂肪肝 | 食べ過ぎによる肥満の場合と、飲酒による場合に大別される。飲酒が原因の脂肪肝は、飲酒をやめれば短期間で改善する。 | |
アルコール性肝炎 | 脂肪肝が悪化した状態。アルコール依存症の恐れあり。稀に死亡する場合あり。通院推奨。 | |
アルコール性肝線維症 | 肝硬変の一歩手前。アルコール代謝酵素の少ない日本人に多い。 | |
肝硬変 | 飲酒継続すると死亡する可能性大。既に重篤でなければ、長期間の断酒で改善可能性大。 | |
肝臓がん | 5年生存率は約36%であり、肝臓がんまで進行すると、生存確率は大きく下がる。 |
また、アルコール依存症になると、自分の意思で飲酒をコントロールすることが難しくなり、生活全般に悪影響を及ぼします。
さらに、アルコールの高カロリーな特性が肥満を助長し、これが心血管疾患のリスクを高めることにもつながります。
参考記事:がん種別統計情報|肝臓|がん情報サービス
脱水症状のリスク
アルコールは利尿作用があり、大量に摂取すると体から多くの水分が失われます。
例えば、ビールのピッチャーを1人で飲むと、脱水症状を引き起こしやすくなります。
アルコールは腎臓に作用して尿の生成を増加させるため、体内の水分が急速に失われてしまいます。
脱水症状は頭痛、めまい、疲労感などを引き起こし、体調を悪化させます。
具体的には、体内の電解質バランスが崩れ、神経や筋肉の正常な機能が妨げられることがあります。
また、脱水によって血液が濃縮されるため、血液循環が悪くなり、全身の酸素供給が不十分になる可能性もあります。
これにより、さらに体調が悪化し、日常生活に支障をきたすことが増えるでしょう。
安全な飲み方と代替方法
1人でビールのピッチャーを飲むことを避け、安全にビールを楽しむためにはいくつかの方法があります。
具体的には、次のとおり。
ポイント
- 適度な量を守る
- 水分補給をしっかり行う
- 食事と一緒に楽しむ
- ノンアルコールビールを試す
順に見ていきましょう!
適度な量を守る
ビールを楽しむ際には、適度な量を守ることが重要です。
例えば、1日に2杯程度のビールを目安にし、それ以上は飲まないようにしましょう。
適度な量を守ることで、アルコールの健康リスクを軽減できます。
一般的に、男性は1日1~2杯、女性は1日1杯程度が適量とされています。
飲み過ぎると、逆に体に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
基準飲酒量
基準飲酒量とは、1日の飲酒量の目安です。
ビールに換算すると1日で男性は1,000ml(40g)、女性は500ml(20g)とされています。
※カッコ()内は、純アルコール量を示す。
種類 | ビールの量 | 純アルコール換算 | 男性(上限) | 女性(上限) |
中ジョッキ | 320ml | 13g | 約3.1杯 | 約1.5杯 |
レギュラー缶 | 350ml | 14g | 約2.9缶 | 約1.4缶 |
ロング缶 | 500ml | 20g | 2缶 | 1缶 |
中瓶 | 500ml | 20g | 2本 | 1本 |
大瓶 | 633ml | 25g | 1.6本 | 0.8本 |
参考記事|飲酒量の単位|e-ヘルスネット
水分補給をしっかり行う
ビールを飲む際には、十分な水分補給を忘れずに行いましょう。
例えば、ビール1杯ごとに1杯の水を飲むことで、脱水症状を防ぐことができます。
また、アルコールの利尿作用に対抗するために、水分補給は非常に重要です。
もし、飲酒中はどうしても水分をとりたくないという方は、ノンアルコールビールを「チェイサー」として使う方法もあります。
以下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
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食事と一緒に楽しむ
ビールを飲む際には、食事と一緒に楽しむことが推奨されます。
例えば、軽食やおつまみを用意することで、アルコールの吸収を緩やかにすることができます。
食事をとることで胃の中に内容物が増え、アルコールの吸収速度が遅くなります。
これにより、急激な酔いを避けることができ、体への負担も軽減されます。
特に、タンパク質や脂肪を含む食べ物はアルコールの吸収を遅らせる効果があります。
例えば、ナッツ、チーズ、肉類などをおつまみにすることで、アルコールが血液中にゆっくりと放出されるため、急激な血中アルコール濃度の上昇を防ぐことができます。
また、これらの食品は栄養価も高く、ビールと一緒に摂取することでバランスの取れた食事となり、飲酒の楽しさも増すでしょう。
食べ物をうまく組み合わせることで、より健康的にビールを楽しむことができます。
ノンアルコールビールを試す
ノンアルコールビールを試してみることも良い方法です。
例えば、お冷やの代わりに「ノンアルコールビール」を試してみるのも良いかと思います。
ノンアルコールビールは、アルコールを含まないため、通常のビールよりも低カロリーです。
飲酒中に、水分補給でお冷やを飲むのに抵抗がある方は、ノンアルコールビールでの水分補給をぜひお試しください。
チェイサーとしてのノンアルコールビールは、ほろ酔い状態で「お酒を飲んだ気分になれる」のでおすすめです。
筆者が実際に飲んで厳選したノンアルコールビールは「【コスパ最強】ノンアルコールビールおすすめランキング厳選ベスト4」の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、「1人でビールのピッチャーを飲むことの危険性」について紹介しました。
1人でビールのピッチャーを飲むことは無謀であり、健康や安全に重大なリスクを伴います。
適度な量を守り、水分補給や食事と一緒に楽しむことで、ビールを安全に楽しむことができます。
また、ノンアルコールビールを「チェイサー」として使うことで、飲酒量を調節することができます。
以上、参考になれば嬉しいです。